みなと用語辞典

普段聞き慣れない専門的な港湾に関わる用語を解説しています。

はしけ
運河、港内で貨物などの運搬に用いられる平底船、台船等。(バージともいう)
はしけ船
沖にいる貨物船等と波止場を結ぶ交通船
はしけ落し
貨物をはしけに積み込むことをいう。
はしけ運送事業
港湾運送事業の一つ。港湾又は省令で定める港湾と港湾の間(「特定区間」という)を小型の船舶またははしけで貨物の運送を行う事業で沖荷役の場合における本船と岸壁との間の運送が主である。この事業は引船業を兼ねる場合が多い。(港湾運送事業法第3条第4号第2条第1項第5号)
ばら荷
穀物、鉱石、油類、木材などのように、貨物がそのまま包装されずに船積みされるものをいう。これらのばら荷を輸送するのには、ほとんどの貨物が専用船によっている。バルクカーゴ(Bulk Cargo)と呼んでいる。
ハッチカバーレスコンテナ船
甲板上コンテナの固縛作業をホールド内コンテナと同程度まで軽減、荷役時間の短縮を図る目的で、ハッチカバーを廃止し、セルガイドを最上層のコンテナ位置まで延長したハッチカバーレスコンテナ船。
ハブ
車軸。港湾で言うなら、フィーダー貨物やトランシップ貨物を扱う国際港湾。近年、国内の港湾が急速にハブ機能を失いつつある。東南アジアの港はハブ機能を強化したため強大になった。
ハブ空港
国際線から国内線、国内線から国際線への乗り継ぎのための拠点空港。
ハンディマックス
中型の4万~5万載貨重量トン、これ以下はスモールハンディ。
バイモーダルシステム
大型トレーラーを鉄道・道路両用方式に改良し、線路上では50両程度連結して機関車で牽引走行するもの、連結方式はトレーラーの前後に台車を履かせる。オンレールトレーラーまたはデュアルモードトレーラーともいう。
バケットエレベータ式アンローダ
船から石炭等ばら物を陸揚げする荷役機械で、機械先端にバケットエレベータを取り付け、荷物のかき寄せ、持ち上げ行為により連続的に荷役を行い、能力も比較的大きく粉塵の発生も少ない装置である。
バラスト(Ballast)
船舶が空荷で航海するときには、船底のタンクに海水をはって吃水線を深くすることがある。この吃水調整用の海水のことをバラストという。時には、船の横方向や前後方向のかたむきを調整するのにバラストが使われることもあるし、船種によっては固定バラストとしてセメント等が使われることもある。
バラ積み船
石炭、鉄鉱石、穀物などの大量な原材料を、大きな船倉に入れて運ぶ船。バラ積み船の大きさは、ケープサイズ(15万重量トンクラス)、パナマックス(6~7万重量トンクラス)、ハンディサイズ(2~4万重量トンクラス)などにわけられる。パナマックスは、パナマ運河を通行できるマックス(最大)のサイズ、ケープサイズはパナマ運河を通ることができずアフリカ最南端の喜望峰(CAPE OF GOOD HOPE)をまわる船の経済船型というように、スケール分類は地球規模のネーミングでなされている。
バリアフリー
高齢者・障害者等が社会生活していく上での物理的、社会的、制度的、心理及び情報面での障害を除去するという考え方。公共交通機関のバリアフリー化とは、高齢者・障害者等が公共交通機関を円滑に利用できるようにすること。(国土交通白書)
バルクカーゴ(Bulk Cargo)
ばら積み貨物のこと。ばら荷の項参照。 ドライバルク--鉱石、石炭、穀物のほかスクラップ、セメント、塩などがある。 リキッドバルク-石油類を始め牛乳、化学薬品等のあらゆる液体品。 ブレイクバルクカーゴ-長尺物や超重量品などの規格外でコンテナ化できない貨物やコンテナ化されないで在来輸送される梱包貨物。
バルクキャリア
ばら積み貨物専用の運搬船
バルクコンテナ
液体品をトラックや鉄道で運ぶのに用いられる特殊コンテナ。
バルク貨物
穀物、塩、石炭、鉱石などのように、粉粒体のまま包装せずに積み込まれる貨物。
バレル
1バレル=158.99リットル(英、米での容積の単位)
バンニング
デバンニングの項参照。
バンプール
コンテナ置き場。
バースターム
船主船内の項参照
バース(Berth)
船席のことで、港内で荷役、旅客の乗降などを行うための岸壁、さん橋、ブイ、ドルフィン等の施設の船舶けい留場所をいう。
パナマックス
パナマ運河を通行し得る最大船型をいう。パナマ運河の場合、運行可能な船の最大幅は32.21mなので、型幅としては32.2mをとるのが普通であり、この船幅をとった船型がパナマックスと呼称される。この船型の場合、計画満載喫水は一般的に12m前後であり、6万~7万載貨重量トン程度となる。
パナマックスタイプ
船幅がパナマ運河通航可能な最大値32.3m(106ft)となっている大規模なコンテナ船。
パナマックス-マックスタイプ
コンテナ船のパナマ運河を航行する通航可能最大船型のこと。太平洋と大西洋を結ぶパナマ運河は、全長約46海里、この間に3段のロックが設けられている。通航可能船舶の寸法制限及び可能喫水は次のとおりである。
船舶の幅 32.3m (106ft)
最大可能喫水 12.07m(39.6ft)
船舶の全長294m(965ft)
パナマ運河
1914年に竣工した閘門式運河。全長65km、閘室は長さ335m、幅33.5m。
パブリックアクセス
港湾におけるパブリックアクセスとは、一般の人々が海やみなとへ自由に、安全に、かつ快適に行き来し、海やみなとの本来有する魅力を十分に享受する(楽しむ)ことをいう。具体的には、「海水に触れる」「潮の匂いや波音を楽しむ」「海やみなとを眺める」「釣りをする」「マリンレジャーを楽しむ」などの行為を目指す。
パブリックアクセス調査
人々が港へ自由に、安全に、かつ快適に行き来し、海や港の本来有する魅力を十分活かした居心地のよい空間を享受するため、都市から港へのアプローチの形成や魅力的な拠点空間の整備と合わせて、遊歩道広場等の整備や防波堤の開放など「海と親しむプロムナードづくり」を積極的に推進、人々が憩い、楽しむことができるウォーターフロントの形成を図るための調査である。
パラペット
堤防、護岸、防波堤などの頂部に設けられたあまり高くない壁をいう。
パレチゼーション(Palletiazation)
パレットによる荷役作業のことで、パレット輸送ともいう。パレットは人力荷役に代わって、フォークリフトが用いられるようになってから生まれた。
パレットデポ
パレットの貸し出し・返却、保管、修理、在庫管理等を行う施設のこと。
廃棄物
廃棄物は、産業廃棄物と一般廃棄物に分かれ、産業廃棄物とは事業活動に伴って生じた廃棄物のうち、燃えがら、汚でい、廃油、廃酸、廃アルカリ、廃プラスチック類等で代表される。産業廃棄物とされるものは、量的又は質的に環境汚染源として重要な意味をもつものであって、その特性に応じて定められた厳しい処理基準に従って処理する必要のある廃棄物である。 一般廃棄物とは、産業廃棄物以外の廃棄物をいい、住民の日常生活に伴って生じるし尿、ごみ、粗大ごみ等のほか、産業廃棄物の範囲に含まれない一部の業種の事業活動に伴って排出された紙くず、木くず等の総称である。 なお、「廃棄物埋立護岸整備事業」では、浚渫土も廃棄物と呼称している。
廃棄物埋立護岸整備事業
港湾環境整備事業(緑地等施設、廃棄物処理施設等、海域環境創造事業)の内の1つで廃棄物を埋め立て処分するための護岸を建設又は改良する事業であって下記条件を満足するもの。
排水トン数(Displacement Tonnage:DT)
重量トンであり、船が水に浮かんだとき、船体によって排除される水の重量、即ち船の全重量をトン数に換算して船舶の大きさを表したもので、吃水の増減の少ない軍艦や自衛艦の大きさを表すのに用いられている。 船舶が物又は人を積載しない場合の重量を軽荷排水トン数といい、船舶自体の重量を示す。船舶が許容される満載喫水船まで物又は人を積載した場合の重量を満載排水トン数といい、全体の重量を示す。 1,000kgを1トンとする。
早出料(Despatch Money)
滞船料と反対に契約停泊日数より早く荷役が完了したとき、節約された日数に応じて船会社から用船者(荷主)に支払われるもので、通常滞船料の半額である。
泊地
泊地とは船舶が安全に停泊し、円滑な操船及び荷役をするための水面である。そのため静穏でかつ十分な広さの水面及び水深を確保する必要があり、また、泊地の海底地質は、錨がかりに適しているところがのぞましい。
背後圏
港湾の背後地で、その港湾で取り扱う貨物の大部分のものの発生地、到着地となっているような地域をいい、港湾取扱貨物量等の推計を行う場合の基本となる概念であり、勢力圏ともいう。
背後地(ヒンターランド)
港湾を経由して輸出入される貨物の発生源又は最終消費地で、当該港湾に依存する荷主又は工場の存在する地域を幅広くさす。 従来、ヒンターランドは港の直背地(都市)のみをさしていたが、最近の産業活動の広域化及び高速道路、フェリー等のアクセス網の整備に伴い、拡大する傾向にあり、特にコンテナ貨物では、この傾向が著しい。